前立腺肥大症とは？症状と治療法を解説

前立腺肥大症とは？症状と治療法を解説

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症とは、男性にのみ見られる病気で、前立腺が大きくなることで起こるものです。前立腺は膀胱の出口を取り囲むくるみ大の臓器で、尿道を締めたり緩めたりして排尿を制御しています。前立腺肥大症になると、拡大した前立腺が尿道を圧迫して尿が出にくくなり、さまざまな症状を引き起こします。

原因

前立腺肥大症とは、前立腺が異常増殖する病気で、男性に多く見られます。原因は完全には解明されていませんが、加齢、男性ホルモンのバランス、遺伝的要因などが関与していると考えられています。加齢とともに男性ホルモンが減少しますが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン（DHT）が優位になると、前立腺の成長を促進します。また、前立腺肥大症の家族歴を持つ人は、そうでない人に比べて発症リスクが高いことから、遺伝的な素因も関係している可能性があります。

症状

前立腺肥大症の症状は、尿路の閉塞によるものが多いです。主な症状には、排尿困難（勢いの弱さ、遅延、中断）、頻尿、夜間尿、排尿後の残尿感などがあります。さらに、前立腺が膀胱に圧迫することで、膀胱炎や尿路感染症のリスクが高まる場合があります。また、重症化すると、尿が出なくなる尿閉や腎臓機能障害を引き起こす可能性もあります。

診断

-診断-

前立腺肥大症を診断するには、問診と身体診察が行われます。医師が症状や排尿に関する生活習慣を詳しくお尋ねします。また、前立腺を指で直腸から触診して、腫れや硬さの有無を確認します。

さらに、尿検査や採血などの追加検査が行われる場合があります。これにより、尿路に感染があったり、他の疾患が疑われたりするかどうかを確認できます。また、前立腺のサイズや形状を詳しく調べるために、経直腸超音波検査（TRUS）が行われることもあります。これにより、前立腺肥大の程度や前立腺がんの合併の有無を評価できます。

治療法

前立腺肥大症とは？症状と治療法を解説

治療法

前立腺肥大症の治療法は、症状の重症度と個々の患者さんの状態によって異なります。軽症の場合は、定期的な経過観察と生活習慣の改善で済むこともあります。生活習慣の改善には、排尿を促す水分摂取量の増加、カフェインやアルコールの摂取量を控える、排尿の際に力を入れすぎないなどの対策が含まれます。中等症から重症の場合は、薬物療法や手術などのより積極的な治療が必要になることがあります。薬物療法には、前立腺に直接作用して排尿を改善するα1遮断薬や前立腺のサイズを縮める5α還元酵素阻害薬などが使用されます。手術は、前立腺の一部または全部を切除する方法で、症状に応じて経尿道的切除術（TURP）、経尿道的前立腺切除術（TURis）、レーザー蒸散術などの方法があります。