フォーリーカテーテル：腎・泌尿器用語の解説

フォーリーカテーテル：腎・泌尿器用語の解説

フォーリーカテーテルとは

フォーリーカテーテルとは、膀胱に尿を排出するための医療機器です。柔軟性のある細管状のチューブであり、その先端にはバルーンが付いています。カテーテルを挿入すると、バルーンが膨らんで膀胱内で固定され、尿が排出されます。

このカテーテルは、尿路の問題の診断や治療のために使用されます。たとえば、尿が出にくい、尿が出ない、尿が漏れる、膀胱に腫瘍がある場合などに使用されます。また、手術中や術後、麻酔により自ら排尿できない場合にも使用できます。

フォーレカテーテルなどの別称

フォーリーカテーテルは、他にもさまざまな別称で呼ばれています。代表的なものに「フォーレカテーテル」があります。この名称は、発明者のフレディック・フォーリー医師に由来しています。また、「三方活栓カテーテル」と呼ばれることもあります。これは、カテーテルに3つの活栓があり、バルーンを膨らませたり、尿を排出したり、灌流したりできることに由来しています。さらに、「ネラトンカテーテル」という別称もあります。これは、柔らかく曲がった先端を持つカテーテルであることを表しています。

フォーリーカテーテルの用途

フォーリーカテーテルの用途

フォーリーカテーテルは、泌尿器系におけるさまざまな用途で使用されます。主な用途は以下です。

* -尿の排出補助- 膀胱に尿がたまって排尿が困難な場合、フォーリーカテーテルを膀胱内に挿入して尿の流れを確保します。
* -膀胱洗浄- フォーリーカテーテルは、膀胱洗浄にも使用されます。生理食塩水や消毒液をカテーテルから注入し、膀胱内の血液や破片を洗い流します。
* -膀胱圧測定- フォーリーカテーテルの先端にセンサーが取り付けられており、膀胱の圧力を測定できます。この情報は、膀胱の機能障害や神経障害の診断に役立ちます。
* -膀胱鏡検査- 膀胱鏡検査を行うために、膀胱内にフォーリーカテーテルを留置して、膀胱内を洗浄して見えるようにします。
* -手術中の尿管分離- 外科手術中に尿管を分離するために、フォーリーカテーテルが挿入されることがあります。これは、特に前立腺切除術などの泌尿器系手術で重要です。

フォーリーカテーテルの挿入方法

フォーリーカテーテルの挿入は、排尿できない患者に尿を排出する管を膀胱に挿入する処置です。まず、医師または看護師がカテーテルを消毒し、滑りやすくするためにゼリーを塗布します。次に、患者の尿道にカテーテルをゆっくりと挿入し、膀胱内に到達させます。カテーテルが正しい位置にあることを確認するために、医師または看護師は風船を膨らませます。風船は膀胱壁に固定し、カテーテルが抜け落ちるのを防ぎます。最後に、カテーテルを固定し、尿がバッグに流れ出すように接続します。挿入は通常、局所麻酔下で行われ、数分で終了します。

フォーリーカテーテルの管理とケア

-フォーリーカテーテルの管理とケア-

フォーリーカテーテルを正しく管理しケアを行うことは、感染や合併症のリスクを軽減する上で不可欠です。カテーテル挿入後、定期的に洗浄し、カテーテル挿入部位の皮膚ケアを適切に行う必要があります。また、カテーテルバッグや尿バッグは、毎日洗浄するか交換する必要があります。

カテーテルの詰まりを防ぐため、十分な水分を摂取することが重要です。尿中の水分量が少ないと、カテーテル内に塩分や結晶が蓄積し、詰まりを起こす可能性があります。詰まりが発生した場合、医師の指示に従ってカテーテルを洗浄するか交換する必要があります。

カテーテルを長期的に留置する場合は、定期的な泌尿器科の診察を受けることが不可欠です。医師はカテーテルの状態を確認し、感染や合併症がないかチェックします。また、必要に応じてカテーテルの交換を行います。