IgA腎症とは?原因や症状、治療法について

IgA腎症とは?原因や症状、治療法について

医療と看護を知りたい

IgA腎症について詳しく教えてください。

医療の研究家

IgA腎症は、主にアジア人と白人に多くみられる腎臓の病気です。日本では性別による差はありません。

医療と看護を知りたい

病名の由来について教えてください。

医療の研究家

IgA腎症という名前は、腎臓の糸球体に免疫グロブリンの一種であるIgAが過剰に沈着することに由来しています。

IgA腎症とは。

「IgA腎症」とは、主にアジア人と白人に見られる腎臓の病気で、原因が不明な慢性糸球体腎炎の中でも最も頻度の高いものです。海外では男性に多く見られますが、日本では男女差はありません。この病名は、腎臓の糸球体にIgAという免疫物質が他の免疫物質より多く沈着することに由来します。日本では難病に指定されています。

IgA腎症とは

IgA腎症とは

IgA腎症とは、腎臓にIgAという免疫グロブリンAが沈着して起こる病気です。IgAは、健康な人でも血液中に存在する抗体の一種で、主に粘膜の感染防御に関わっています。しかし、何らかの原因でIgAが腎臓に沈着すると、腎臓の糸球体(血液を濾過する部分)に炎症や障害を引き起こし、腎機能の低下につながります。

IgA腎症は、腎臓病の中で最も多くみられる原発性糸球体腎炎で、成人を中心に若い年代での発症が多いことが特徴です。日本では人口の約2~3%がIgA腎症を有すると推定されています。

原因

原因

IgA腎症の原因は完全に解明されていませんが、免疫系の異常が関与していると考えられています。免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる抗体が、腎臓の糸球体という部分に沈着し、炎症を引き起こします。この沈着の原因として、扁桃炎や歯周病などの感染症、遺伝的要因、環境要因などが考えられています。IgA腎症は遺伝性の場合もあり、家族に同疾患を患う人がいると発症リスクが高くなります。また、男性よりも女性に多く、小児期から思春期に発症することが多いです。

症状

症状

IgA腎症の症状は、多くの場合軽微で目立たないことが特徴です。そのため、長年にわたり症状が出ずに発見されないケースも少なくありません。しかし、まれに以下のような症状が現れる場合があります。

* 血尿 尿が赤っぽくなったり、濁ったりする。
* 浮腫 顔や手足がむくむ。
* 疲労感 倦怠感や疲れやすさが続く。
* 食欲不振 食欲が落ちたり、体重が減少したりする。
* 高血圧 血圧が上昇する。
* 蛋白尿 尿中にタンパク質が過剰に含まれる。

症状が進行した場合には、腎不全やその他の合併症を引き起こす可能性があります。そのため、血尿や浮腫などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

診断

診断

診断では、IgA腎症の特定のために、医師は病歴や身体検査、血尿やタンパク尿を調べる尿検査を行います。追加の検査として、腎臓の画像を見るための超音波検査や、腎組織の一部を採取して顕微鏡で検査する腎生検が行われることもあります。腎生検は、IgA腎症の重症度や治療に対する反応性を評価するために有用です。

治療法

治療法

IgA腎症の治療法は、病状の進行具合や症状の程度によって異なります。軽症の場合には、経過観察や定期的な検査のみで済むこともあります。しかし、中等症から重症の場合には、薬物療法や食事療法、場合によっては透析や移植などの治療が必要になります。

薬物療法では、免疫抑制剤や抗血小板剤、降圧剤などが使用されます。食事療法では、タンパク質や塩分の摂取を制限することが中心になります。透析は、腎機能が低下して老廃物が蓄積した際に、血液中の老廃物を除去する治療法です。移植は、腎機能が完全に失われた場合に行われる治療法で、健康な人の腎臓を移植します。

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