硬膜下血腫：脳の出血が引き起こす病気
医療と看護を知りたい
先生、『硬膜下血腫』について知りたいです。
医療の研究家
『硬膜下血腫』とは、脳表動脈や架橋静脈が損傷し、硬膜下腔に出血して硬膜とくも膜の間の硬膜下腔に血液が貯まる状態だよ。
医療と看護を知りたい
原因は何ですか？
医療の研究家
主な原因は頭部外傷ですが、高齢、脳腫瘍、血液凝固異常、新生児や小児の虐待などが挙げられます。
硬膜下血腫とは。
「硬膜下血腫」とは、脳の表面を覆う動脈や静脈が傷ついたり切れたりして、脳を覆う硬膜の内側に出血が起こり、硬膜と脳の間の空間に血液が溜まる状態です。
硬膜下血腫の原因はおもに頭部の外傷ですが、高齢者、脳腫瘍、血液が固まりにくい状態（抗凝固薬を服用しているなど）、新生児や子どもの虐待などもあります。まれに、脳脊髄液の圧力が低下することも原因となります。
頭部CT検査では、脳の表面に三日月形の出血像として見られます。発症から1～2日以内に出現する急性硬膜下血腫と、15日以上経過した慢性硬膜下血腫があり、発症時期だけでなく症状も大きく異なります。
硬膜下血腫とは？
硬膜下血腫とは、脳に損傷が及び、脳と頭蓋骨の間にある硬膜下腔に出血が起こった状態です。この出血は、頭部への外傷によって起こることが多く、脳への衝撃が硬膜と頭蓋骨との間に隙間を作り、その隙間に血液が溜まることで発生します。出血の量は、外傷の程度によって少量のものから大量のものまで様々です。
硬膜下血腫の原因
硬膜下血腫の原因は多岐にわたります。最も一般的な原因は、頭部外傷による脳の損傷です。これは、衝突事故、転倒、暴行などによる外力が脳に直接加わることで発生します。また、脳出血や脳腫瘍などの脳内の病気が原因となることもあります。さらに、抗凝固薬や抗血小板薬の服用など、血液を凝固しにくくする状態が引き金となる場合もあります。まれに、硬膜下血腫は、脳内の血管に異常な形や構造の変化が起こる血管奇形が原因で発生することもあります。
硬膜下血腫の症状
硬膜下血腫の症状は、出血の量や部位によって異なります。急性に発症した場合は、頭痛、嘔吐、意識障害などの重篤な症状が現れることがあります。慢性的な場合には、頭痛、倦怠感、認知機能の低下などの比較的軽度の症状がみられることが多く、見過ごされてしまうこともあります。また、硬膜下血腫が脳の運動野などの重要な部位に及ぶと、麻痺や言語障害などの局所的な症状が出現する場合もあります。
硬膜下血腫の診断
硬膜下血腫の診断においては、正確な病歴の聴取が重要です。最近の外傷歴、脳卒中、過度のアルコール摂取などが、硬膜下血腫発症のヒントとなります。神経学的診察では、意識障害、片麻痺、言語障害などの症状が確認されます。頭部CTスキャンが最も一般的な診断ツールで、出血部位や量を明確に示します。MRIスキャンは、CTスキャンよりも出血の微妙な変化を捉えることができます。最新の診断法として、拡散強調画像（DWI）が用いられることもあります。これは、出血の進行段階や出血の特性をより詳細に評価することができます。
硬膜下血腫の治療
硬膜下血腫の治療は、出血の重症度と患者さんの状態によって異なります。軽症の場合、出血量が少なく症状が軽い場合は、経過観察で改善することもあります。しかし、出血量が多かったり、脳の機能に障害が出たりする場合には、外科手術が必要となります。
外科手術では、開頭して硬膜下腔に溜まった血腫を取り除きます。手術には、開頭術とドリル穿孔術の2種類があります。開頭術は、出血量が多い場合や血腫が硬くなって取り出しにくい場合に行われます。ドリル穿孔術は、出血量が少ない場合や血腫が柔らかい場合に行われます。この手術では、頭蓋骨に小さな穴を開け、そこから血を吸引します。